こんにちは。かずしおです。
今回は、ニューロマーケティングとそれを踏まえたブランディングについて書いてみます。
なお、これはマーティン・リンストローム という人の『買い物する脳』という本を読んでそれを踏まえた感想になります。
科学とマーケティングの出会い
『買い物する脳』では脳の科学とマーケティングという2つの別の学問が融合されています。しばしば学問AとBが組み合わさってAB学というのが誕生することがありますが、脳の科学とマーケティングが出会いここにニューロマーケティングが誕生しました。以下、このニューロマーケティングとそれを踏まえたブランディングについて見ていきましょう。
脳を調べる
fMRIなどを使って脳の反応を見てその商品について買い手がどのように思っているのかを調べるのがニューロマーケティングというものです。体はいつも正直であり、脳もまたそうだと言えます。言葉で「いらない。」と言っていても脳が欲しがっていることがあります。そういう脳の仕組みをマーケティングに取り入れてみようとする試みです。
言葉は本当ではないときがある
脳など調べなくてもアンケートしたりすれば、人が何を欲しがっているのかや何を好むのかなどはわかると言われそうです。しかし、言葉で言っていることと本心で思っていることが違うこともありますし、本人でさえ気がついていない感情や思いがあることさえ考えられます。そういう無意識まで含めるときに脳を調べるニューロマーケティングは有効な手段といえそうです。
ニューロマーケティングからブランド構築へ
ニューロマーケティングで得られたデータなり経験なりを生かすことにより、これまでの普通のマーケティングからは作ることのできなかった、または見逃してきたブランド構築が可能になると思われます。このようにニューロマーケティングをブランディングにつなげることにより、買い手がほんとに欲しいものをブランド化していくことができそうです。
ニューロマーケティングの具体例
(1) タバコ
タバコの箱に書いてある健康に害があるからタバコはよくないという広告はアンケートなどをすればわかっているようでも脳を調べてみるとこういった広告には何の効果もなかったそうです。
(2) プロダクト・プレイスメント
映画などで商品がそれとなく登場して露出され紹介されて、知らず知らずのうちにその商品について好感を持ってしまうということがあります。その際に、その商品が映画などで重要な役割を果たしている必要があります。
(3) ミラー・ニューロン
自分が経験したことでなくても、他人が経験しているのを見るだけで脳が反応するのだそうです。他人が綺麗に着飾っている服を欲しくなったりするのはこのミラー・ニューロンの働きということができます。
(4) サブリミナル・メッセージ
脳への刷り込みはいまだ健在のようです。刷り込まれたメッセージは脳に残り無意識に蓄積されます。しかも、商品を明確にしたメッセージでなくても、商品を連想するイメージだけでもかなりの効果があるそうです。たとえば、タバコの銘柄やロゴを表示しなくても、あるタバコ(例えばマルボロ)を連想させるイメージだけで脳は反応してタバコが欲しくなるということです。
(5)ソマティック・マーカー
脳にある商品の良さがマーカーで線を引いたように刻み込まれることがあります。それは効果的な広告を見たせいだったり、いいイメージをどこかの店で受けたせいだったりします。そういうソマティック・マーカーが知らず知らずのうちに買い手の脳に指令を出して買い手は合理的に判断したと思って商品を買ってしまいます。でも、実は合理的でもなんでもないということがよくあります。
無意識を探る
ニューロマーケティングをしてはじめてわかることもあります。無意識に脳に刷り込まれていることなどはなかなか本人も気がつきません。
ポイントカードなどは、この無意識を巧みに利用して買い手に知らず知らずにほしいものを提示しています。店で買い物をするたびにポイントカードなどで自分の情報が蓄積されて、どういうものが好みでどういうものを買う傾向にあるかとか、これからどういうものを買う可能性が高いかなど分析されてしまいます。その情報をもとに商品が紹介されると買い手は知らず知らずに自分が欲しいものが現れたと思って買ってしまいます。
今回も読んでいただきありがとうございました。
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